2024年5月16日
志太榛原地域初となるクラフトビールの醸造所が、牧之原市波津に誕生した。地元の池田屋酒店の店主、鈴木英樹さん(76)と家族が、「自分の手でビールを造りたい」という夢を実現。第1弾として「牧之原えーる」と銘打ったペールエールの販売が、同店や近隣の居酒屋「和ダイニングすけろく」で始まった。
醸造所のオープンに向けて奔走したのは、鈴木さんと娘の月居麻水さん(46)、麻水さんの夫一誠さん(43)の3人。ビールが好きで全国各地の工場見学を続けているうち、ビール造りへの思いが高まった。「酒の製造免許を取得するのが大変だった」と月居さん夫妻。取得に向け一から勉強し始めたのは約5年前。都内の醸造所の協力を得ながら準備し、5月下旬にようやく取得にこぎつけた。
醸造所は池田屋酒店の一角に開設した。店舗を改築し、麦芽粉砕機や発酵タンクなどを設置してビール造りの環境を整えた。出来たてのビールを店内で楽しめる飲食スペースも新たに設けた。保健所からの営業許可が5月末に下りたため、6月上旬に仕込みを行った。同店で醸造したビールは7月初旬ごろから販売を始める予定だ。
同店や「和ダイニングすけろく」で現在提供している牧之原えーるは羽田麦酒(東京都大田区)の設備を借りて製造した。ホップの香りや苦み、モルトの味わいなど、バランスの取れた味に仕上げた。麻水さんと一誠さんは「さっぱり感と芳醇(ほうじゅん)さを両立した味。誰でも飲みやすい商品になった」と胸を張る。
問い合わせは池田屋酒店<電0548(52)0030>へ。